ニットタイでこなれたVゾーンを。選び方・合わせ方の基本とおすすめ10選
オフィスカジュアルの浸透によりノータイスタイルが増えていますが、ときにはスーツ×ネクタイを程良くカジュアルダウンするニットタイなんていかがでしょう?今こそ、ニットタイをおすすめしたい理由
ビジネススタイルが多様化する今、当たり前だとされてきた「スーツにネクタイ」という常識が変わりつつあります。とはいえ、どうカジュアルに着こなしたら良いのか戸惑う方も多いはず。そこでおすすめしたいのがニットタイです。ビジネスネクタイしかご存じない方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ニットタイはカジュアルネクタイの筆頭アイテム。ニットならではの編み立てた素材感が特徴で、滑らかなウールのビジネススーツより、ざっくりとしたホップサックやツイードのジャケットとよく似合います。カジュアルなオックスフォードのBDシャツや、シャンブレーシャツなんかとも好相性。オフィスカジュアルはもちろん、アイビー&プレッピーな気分を取り入れたカジュアルスタイルにもハマるので、ぜひともニットタイにトライしてみてください。
    ニットタイとひと口にいってもいろいろ種類があるんです
一般的なニットタイは、シルクニットで剣先がスクエアなタイプが多いですが、なかにはコットンやリネン、ウールなどの素材もあります。ごく稀にカシミヤニットのように目の詰まったタイプも。それとビジネススタイルには、“カジュアル過ぎて使いにくい”という声に応えて、普通のネクタイのように剣先を角付けしたタイプもあります。
    基本は通年使えるシルクのニットタイ
シルクの糸を編み立てた、剣幅6~7cm程度のニットタイが一般的です。無地やワンポイント、ドット柄など、シンプルなタイプが多いことも使いやすい理由の1つ。ぎゅっと握ったときに「キュッ」と鳴くのが、良いニットタイのポイントですよ。
    リネンやコットンのニットタイもあります
コットンやリネンのニットタイは、シルクのニットタイよりややマットな質感です。カジュアルなシャツにアクセ感覚で合わせるのに適しています。ジャケットは、コットンやリネンなどカジュアルな素材のものが似合います。
    秋冬にはカシミヤのニットタイを
ニットの中でも高級素材といわれるカシミヤのニットタイは、編み立てが表に立たず、まるでハイゲージのニットにようにふわふわと毛羽立っています。こういう素材感ですから、フランネルなど毛羽感のある素材と似合いますので、秋冬の暖かそうな胸元に合わせるのがおすすめです。
    ビジネスで使いやすい剣先付きも
ニットタイの剣先はスクエアなものが多いですが、なかには普通のネクタイと同じように角付きのタイプもあります。こちらは剣幅も太いものが多く、ジャケットの前を開けて着たときの見え方もしっかりしていますので、ビジネススタイルやカジュアルパーティなどで使いやすいでしょう。
    普通のネクタイとはココが違う。ニットタイ、結び方のポイント
ニットタイの結び方は普通のシルクネクタイと同じで構いませんが、細幅で厚みがある分、ノットが大きいとアンバランスに見えがちです。そのためノットが小さく仕上がるオリエンタルノットの結び方がおすすめです。オリエンタルノットは、最初にネクタイの裏側を表にし、シャツの襟に通すのがポイント。詳しくは以下の記事で紹介している「結び方5」をチェックしてみてください。
    ニットタイはどんなシーンで使える?
ニットタイは、ジャケットスタイルの品格をキープしながら適度にドレスダウンしてくれるので、オフィスカジュアルはもちろん、カジュアルなパーティや結婚式の二次会などでも活用できます。また、ニットタイはカジュアルなスタイルに品格を添えるのにも便利なアイテムです。例えばノータイで着がちなオックスフォード地のボタンダウンシャツや、ブルーシャンブレーのカジュアルシャツ、チェック柄のネルシャツなんかに合わせれば、アイビー&プレッピーっぽい育ちが良くて洒脱な雰囲気が演出できます。
    ニットタイのおしゃれな着こなし例
では実際に、ニットタイのコーディネートサンプルをご覧ください。全身トータルでハマってる人、シャツとニットタイの組み合わせ例やVゾーンだけでも、おしゃれの参考になると思います。
    コーデ1
スーツをニットタイでドレスダウン
スーツでノータイという着こなしが増えていますが、なんとなく襟元が寂しく物足りない気がしませんか? そんなとき、ニットタイなら程良くカジュアルダウンができ、それでいて仕事相手にも好印象を与えられます。ブルー系で揃えれば清涼感あるスーツスタイルに。
    コーデ2
半袖シャツと合わせてクールビズにも
ニットタイはシルクより見た目が軽く、暑苦しさを感じさせないので、クールビズにもおすすめです。こちらは半袖シャツと合わせた好例。夏はノータイが楽ですが、その分装いもシンプルになってしまうので、シーンや気分に合わせてニットタイを取り入れてみてはいかがでしょう?
    コーデ3
デニムシャツなどカジュアルシャツとも相性抜群
ニットタイを結ぶなら、デニムやシャンブレーなどラギッドなワーク系のカジュアルシャツが抜群に似合います。こちらは、シャツとニットタイを同系色にして馴染ませながらも、デニムとニットの素材感が互いに引き立ち、印象的なVゾーンに仕上がっています。ジャケット以外に、スウェットパーカーやドリズラー系のブルゾンで合わせるのもおすすめ。
    コーデ4
ジャケット以外のタイドアップにも!
ネクタイはジャケットスタイルにするものと思いがちですが、ニットタイならガーデンやブルゾンなどカジュアルなアウターとも合わせることが可能です。カジュアルながら品格のあるコーデが簡単に作れます。
    ニットタイのおすすめ10選
では最後におすすめのニットタイをご紹介しましょう。ニットタイは編み立てのニットなので、ジャカード織りやプリントで柄を入れることが非常に難しく、そのため無地やシンプルが編み柄のものが多いのが特徴。しかしシンプルだからこそ、コーディネートに取り入れやすく万能なのです。
    アイテム1
『シップス』ソリッドニットタイ
最も基本となるのがこんなソリッドニットタイです。素材はシルク糸を使ったループ編みで、剣先はスクエアにカットされています。ネイビーやベージュ、チャコールグレーあたりが使いやすいですが、ブラックを選ぶとカジュアルスタイルがグッと引き締まります。
    アイテム2
『ドレイクス』シルクニットタイ
ニットタイは編み立てという素材の性質上、自由な柄を入れるのが難しいのですが、こんな風に刺繍でドット柄を入れたデザインもあります。100年以上前の紡績フレームによって丁寧に編み上げられる『ドレイクス』のニットタイは、ぎゅっと握ったときに「キュッ」と音がする絹鳴りがするほど、目が詰まっており、これは上質なシルクの特徴とされています。
    アイテム3
『ニッキー』ソリッド・プンタ・ニットタイ
ニットタイは剣先がスクエアになっているものがほとんどですが、シルクネクタイのように剣先型になっているものも。このタイプならビジネスで使っても、カジュアル味を抑えてドレスな印象を主張できます。人気のネクタイブランドだけに編み柄も凝っていますね。ちなみに、「プンタ」とは剣先のことです。
    アイテム4
『ソブリン』カシミヤニットタイ
ニットタイはシルクやコットン、リネンなどで作るとざっくりとした編み立てになりますが、カシミヤを使うと繊細な毛羽が浮き上がるウォーム感ある仕上がりに。このタイプはフランネルやサキソニーなど、秋冬素材のジャケットやスーツと合わせるのが良いでしょう。胸元から温かそうに見せてくれます。
    アイテム5
『フィオリオ』ニットタイ
コットン×リネンのMIXニットタイ。編み柄も凝っていて、胸元のアクセントとしても素敵ですね。『フィオリオ』はイタリア有数のネクタイブランドで、なかでもニットタイのコレクションに定評があります。ラグジュアリー系ブランドのニットタイは、だいたい同ブランドが手掛けています。
    アイテム6
『ディマリア クラバッテ』レジメンタルストライプニットタイ
シルク生地の聖地として知られる北イタリアのコモ湖に本社を構える『ディマリア クラバッテ』。まだ若いブランドですが、モダンなコレクションが豊富なので有名セレクトショップの別注モデルを手掛けています。『ビームスF』との別注は、配色とストライプのピッチにこだわりが光る1本に仕上がっています。
    アイテム7
『シップス エニィ』ボーダーニットタイ
爽やかな配色のボーダーストライプのニットタイは、ビジネスカジュアルからデイリー使いまで活用できる1本です。白が使われているので清涼感もあって、初夏のクールビズにもうってつけ。自宅で洗濯ができる点も高ポイントですよ。
    アイテム8
『ジラフ』リバーシブルバスケットニットタイ
5色の糸を使ってバスケット編みで幾何学柄にした面と、赤の単色糸をヘリンボーン編みにした面を持つリバーシブルタイプ。シーンや気分に合わせて2通りのデザインが楽しめます。単色面を前にした場合、後ろの柄編みがチラリと見えるのもおしゃれですね。
    アイテム9
『GI』ニットデザインタイ
ジャカードの編み柄で迷彩をアレンジ。複雑な柄編みは高い技術を要するのですが、最近はコンピューター技術を使うことで簡単にできるようになりました。こちらの迷彩柄はカラーバリエーションも豊富。遊び心のあるVゾーンを作りたいときなどに取り入れてみてはいかがでしょう。
    アイテム10
『アスコット』ニットボウタイ
『アスコット』は『エルメス』のニットタイを手掛けていたことで知られるドイツのネクタイメーカー。こちらのボウタイは、そんなエルメスクオリティといっても過言ではないほど、羽根と結びが美しいバランスで仕立てられています。カジュアルなブルーシャンブレーのシャツに合わせて、結婚式の二次会などカジュアルなパーティスタイルを作るのにおすすめです。
    
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      「FINEBOYS」編集部を30歳で独立。以後フリーのファッションエディター&ライターとして「MEN’S EX」「LEON」「GQ」「AERA STYLE MAGAZINE」など各メンズ誌・WEB版のほか、企業広告、オウンドメディアにて執筆。BBQインストラクター、第二種電気工事士など資格多数。目下の目標は危険物取扱者乙種4級取得。